国際観光都市・神戸で観光学を学ぶ大学。 観光文化学部 観光文化学科

後藤正治 教授
ノンフィクション作家。スポーツ・医療、人物をテーマにした作品を執筆。『遠いリング』で第12回講談社ノンフィクション賞を受賞。『リターンマッチ』で第26回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。ほかに、『スカウト』『牙-江夏豊とその時代』など、著書多数。学生にも後藤ファンは多い。
若い人たちの国語力の低下が懸念されている時代だけに、活字や言葉と出会うきっかけとなれる場、そんな授業を心がけています。
必須科目の「文章読解」では、パソコンを使わずに鉛筆で原稿用紙のマス目に文字を埋める、非常にアナログな方式を採用しています。キーを叩いてパソコンに文字を作ってもらうのではなく、わからないときは辞書を引き、自分で文字を書き、文章を綴る。こうすることが、文章力を養う近道だと思うからです。同時に、「書く」という行為を通して、自分の考えをまとめたり、自分の理解力を測ったり、本当の自分を知るきっかけになったりと、自分と向き合う大切な時間になればと願っています。
選択科目の「文学における旅」は、観光とのかかわりで紀行文学を取り上げ、堀江謙一氏の『太平洋ひとりぼっち』や沢木耕太郎氏の『深夜特急』などの作品を題材に、輪読方式の授業を行っています。この授業でも、活字に親しみ、本を読む楽しさを知ってもらいたい。いい文章を書くためには、いい文章を読むことが大切です。若い世代にかかわりのある、かつ興味がもてる青春紀行文学との出会いを通して自身を磨き、感性を豊かにしてくれる効果を期待しています。
もうひとつの選択科目である「文化総合講座」では、芸術・芸能を中心に、実作者やジャーナリストたちをゲストに迎え、面白くて楽しい授業を展開しています。
授業はすべて手作りですが、授業を受けることで、何かをしたい、さらに何かを知るきっかけになれば、要は自分自身と出会う場にしてもらえたらと願っています。若い人は誰もが無限の可能性がある。そのことは変わらぬ真理であると信じています。

吉島一彦 教授
元読売新聞大阪本社調査研究室長兼編集委員。医療分野のニュース、特集・連載の取材、調査報道、提言報道などを手がけ、医療が抱える問題点と医療の充実に向けた施策を追及してきた。また、数々の医療フォーラムで企画・実施に携わり、多くの実績を上げている。
4年制大学で、バリアフリー・ツーリズムやヘルス・ツーリズムといった医療系の観光学が学べるところは、本学が初めてでしょう。医療系の観光学が必要なことは、SARSや鳥インフルエンザの世界的な流行、障がい者や慢性疾患を抱えている人たちの観光ニーズ、さらに高齢者の観光熱を考えると十分に理解できます。さらに、交通バリアフリー法とハートビル法を統合拡充したバリアフリー新法が2006年12月に施行され、ハンディキャップのある人の移動に関する法的整備も進んでいます。
しかし、バリアフリーという考え方が、まだまだ社会に根づいていないのも事実です。授業では、バリアフリー・ツーリズム論と高齢者旅行論をメインにして、学生たちに“心のバリアフリー”を説いていきます。たとえば、公共交通機関によって表示や扱いが違う優先座席について調査してもらい、どんなデザインがより効果的か、譲り合いができる本来の席にするにはどうしたらよいのかなど、意見を出し合います。
また、高齢者や障がい者の方からヒアリングをしたり、道具を使って実際にハンディキャップを体験してみたり、そこから感じたこと、見えてきたことをテーマにディスカッションをします。こうしてさまざまな試行錯誤をくり返しながら、学生たちに世の中の多様性を実感してもらい、本校の教育理念でもあるホスピタリティーにつながる共生力、共感力、想像力、対応力を育んでいきます。観光学の中でもバリアフリー・ツーリズムは、将来の「成功のキーワード」です。

戸祭達郎 教授
近畿日本ツーリストでの勤務後、観光学の第一人者として多数の大学で教鞭を振るってきた。立命館大学経済学部教授を経て、本学へ。各種マスコミへの出演や講演の実績も数多くあり、現在、ニーズが高まりつつあるヘルスツーリズムに大きく貢献している。
今、世界的に健康への関心が高まっています。西洋医学だけでなく、東洋の漢方、チベットの医学、インドのアユルベーダなどの伝統医学です。また、サプリメントなどの健康食品に代表されるいわゆる代替医療を多くの人は利用するようになりました。さらに、園芸療法、音楽療法、森林療法、アロマセラピーなどのさまざまな自然療法も生まれています。
その中で、旅行を通じて心や体の健康を維持することを旅行療法といい、これはヘルスツーリズムです。環境を変える転地療法などは、昔から温泉地や保養施設で行われてきました。近年では働き盛りの人の約70%がストレスを感じ、生活習慣病で悩んでいる人も増えています。旅行療法にはこういった癒し効果が期待できます。さらに団塊世代は退職後のやりたいことのトップに「旅行」を挙げています。これらのことから、ヘルスツーリズムの需要は、高齢者を中心に今後ますます高まるでしょう。
一方、旅行中での健康管理、急病などへの救急処置などを行う添乗員や専門家はまだまだ不足しています。
私の授業では皆さんと一緒に考え、実証し、企画していきたいと考えています。