カリキュラム紹介

本学の特徴(1)実践力

実践力を磨こう!

田邉文彦 教授
I am OK, You are OK

田邉文彦 教授

三菱総合研究所で交通・医療関係、公的事業などホスピタリティ産業の経営改善、事業再生に携わる。その後、内閣府の経済財政分析の企画担当課長を務める。
「“わかる”だけでなく“できる”教育を目指す」がモットー。

「私はOKである。あなたもOKである」。これは、私たちが他人や自分とのかかわりを単純化して、その本質を考えるうえで役立つ言葉です。私はOKであるし、あなたもOK。すなわち、私が自分を大切に思うのと同じように、あなたは自分のことを大切に思っている。それを、お互いにわかっている。あなたと私は違う存在であるし、意見も違うけれど、まず、存在していることを認め合うことからスタートする、そんな関係を表現した言葉です。本当の自己主張とは、このような、相互尊重の上に立った自分の「意見表明」ということなのです。これが「アサーション(Assertion)」ということができます。

「調査研究科目」における3つのプロセスの1つである「意見表明」とは、アサーションの意味を持っています。本学の基本理念である「人としての基本的なマナー、ホスピタリティ精神を身につけること」がベースにあることは言うまでもありません。

3つのプロセスで、基本的な“ものの考え方”を身につける

日本の大学教育の、最大の弱点は「対話型アプローチ」がないことだと言われています。たとえば、ほとんどの大学の場合、理論や原理をメインに学んでいますが、それを日常の中で応用する機会、あるいは個々の学生が自発的に実践し、体験を通して話し合うような機会がなかなかありません。そのために、学んだことが机上の論理、つまり実社会から乖離した抽象論で終わってしまったり、理論自体がわからなければ、すべてが否定されたりすることになりかねません。

「調査研究科目」では、これまでの大学教育とはまったく逆に、抽象的な理論よりも実践を重視し、一人ひとりの学生が体験から得たものを、教員と学生、学生同士のコミュニケーションを通して、逆に深い本質の理解に高めていく、双方向の「対話型アプローチ」を基本にしています。
現在の学生が不得手な理論や原理から入るのではなく、とっつきやすい具体的な事例からスタートして、「自発的な問題発見」→「問題解決」→「意見表明」という3つのプロセスを学びます。わかりやすく言えば、「素材」を仕入れて、「加工」し、「表現」(プレゼンテーション)する。この3つのプロセスは、対象がなんであれ、どんな分野にも不可欠なファクターがあり、これをくり返し実践することで、“ものの考え方”と、その手順をしっかりと身につけることができるのです。

まず、1年次の前半では「読む・書く・聞く・話す」という、調査研究の基礎を学び、1年次後半および2年次にかけて、個別に専門のテーマに沿って、「問題発見」→「問題解決」→「意見表明」という、前述した3つのプロセスを基本形として確立します。そして、3年次以降にこの基本形を実践しながら、将来、仕事にしたい専門分野で生かせるようにします。

調査研究科目は、1クラス15名程度の少人数クラスで、一人ひとりの学生と教員が、文字通りヒザを付き合わせて授業を進めますが、調査研究科目を担当する17名の教員は、授業のあとには必ず全体会議を行い、授業内容を振り返り、講義前の仮説を学生の理解度から検証し、次回の授業の準備へとつないでいきます。

ここまで完璧な体制で、しかも必須科目として取り組んでいる大学はほかにないでしょう。将来には調査研究を学生同士で実践すること、それが私の理想であり、夢です。

学生が「話す」!?
自分の考えを相手に正しく伝える

自分の考えを相手に正しく伝える

学生にとっては、教室で「聞く」が95%、「話す」は5%ぐらいでしょう。しかも、「話す」の5%のうち、4%までが私語(おしゃべり)で、自分の考えを述べることは1%もないというのが実情です。この状態のままでは、友達同士などのプライベートの場以外で、自分の考えを相手に正しく伝えることができるようにはなれません。そこで訓練が必要です。
この訓練は、集団の場で、時間と場所を共有して、はじめて十分な効果を上げることができます。最初は、学生が話し、先生がそれを聞く訓練から始めます。これには、次のような効果があります。

(1) 学生は話すことによって、自分の考えを自覚することができ、頭の中の内容が整理されます。
(2) 学生は話すことによって、自分の考えを相手からどう思われているか確認できます。それが自信となります。
(3) 学生は話すことによって、自分の知識のキャパシティ(大きさ)を広げることができます。

これまでの教育現場では、知識をタンクに入れる訓練ばかりで、タンクに入った知識を出して、適切に表現する訓練を怠ってきました。この環境を整えることができるのは、本学の「調査研究科目」だと、密かに自負しています。

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